G-01-06【ゆうしょく】/130619
おんぼろアパートの隅っこで、影と同化する夕暮れ。
暗闇を眺めると、ちらちらと白いヒモがたゆたっては消えた。
突然窓が開き、男が入ってきた。
男は「これは友情の証だから。」と、僕にスプーンを突き出した。
スプーンの上には、見慣れた憂鬱が盛ってあった。
僕は何もいらないと言った。
けれど男は、無理矢理僕の口にスプーンを押し込んだ。
こうやって僕はまた、友情の奴隷となった。